北海道民が愛する「お絵かきですよ」初代アナが明かす問題作りの苦労

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聞き手・原知恵子
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 北海道の人気ローカル番組「どさんこワイド179」(札幌テレビ放送、STV)のMC・福永俊介アナウンサーは、2000年から続く大人気コーナー「お絵かきですよ!」の初代担当アナだった。

 月~金曜日に毎日放送され、多くの道民が「いつか出てみたい」と願う「視聴者が主役のゲームコーナー」の舞台裏を尋ねた。

お絵かきですよ!

 生放送中に描き手が「お題」に沿った絵を60秒以内に描き、視聴者が電話で回答。正解すると賞金1万~10万円をもらえる視聴者参加企画。月~金の17時30分ごろ放送。

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――「絵の『お題』を電話で回答する」というシンプルな形式ながら、20年以上続いています。

 まさか、こんなに続くとは想像もしていませんでした。当時は札幌駅前から毎日生中継。お題の描き手は現地に集合した人の中から抽選で決めていたのですが、初期は「希望者ゼロ」の日も結構ありましたし、視聴率も苦戦気味だったと記憶しています。

――なぜ支持されたと思いますか?

 外野から見ていても楽しめるクイズであることに加え、参加者を通じて「いまが見える」という部分も大きかったと思います。例えば、暑さ・寒さ、人の動き……。整ったスタジオでは、そうはいきません。

 担当アナの「勝負」は本番前から始まっています。世間話や記念撮影など、たわいもないやりとりで参加者の緊張をほぐし、人間関係を築く。そして、ベストな「転がし方」を見定めて相手を輝かせる。これは、ローカル局のアナウンサーの究極の使命だと思っています。

 当時の番組プロデューサーからは「話題性がある人ばかり注目するのではなくて、『ふらっと来てくれた人』を大切にしなさい」と口酸っぱく言われました。

 誰でも簡単にテレビに出ることができる「身近さ」が番組への親しみにつながりますし、このコーナーの面白さでもある。その姿勢を体現すべく、「来てくれた全員を大切なお客さんとしてもてなし、盛り上げよう」と無我夢中でした。

 賞金が高額になった時には参加者が100人、200人の群衆になることもあり、大声を張り上げながら現場を回したことも。当時の教えは今も生きてますし、「いまや番組の看板コーナーだね」と言われると「初代」として誇らしい気持ちになります。

――コーナーを続ける上で大変だったことは?

 問題作りです。例えば、お題…

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