ヘルプ
マイページ
【動画】語彙・読解力検定の模擬テスト受験と、その後の特別授業 |
言葉の力を育むため、朝日新聞社とベネッセコーポレーションが行う語彙(ごい)・読解力検定。受検申し込みは19日までと、締め切りが迫る。6月16日の検定では、知的アイドルを目指す「乃木坂46」も受検を予定。メンバーは勉強に余念がない。今回は、校閲センター出身の中原光一記者を先生に、つい間違いがちな言葉について学んだ授業の様子をご紹介。みなさんも一緒に考えてみてください。
「乃木坂と、まなぶ」はこちら◇
■メンバー同士って…
〈次の文章には、間違いがあります。誤りを指摘して、直しなさい〉
→「乃木坂46のメンバー同士は、気のおける間柄だ」
問題を読み、どよめくメンバー。確かに、何かおかしい。
「ここだよね、多分」。生駒里奈が指したのは「気のおける」と書かれた部分。
「気のおけないっていうのは聞くけど……」。永島聖羅が自信なさそうにつぶやく。確かに「気のおけない」という言葉なら耳にする。でも、そもそも「気のおけない」って、どういう意味?
ここで、先生役の中原が聞いた。「皆さんは、仲がいいの? それとも、お互いに遠慮し合うような間柄なの?」
えっ? どういうこと?
「実は、もし皆さんの仲が良くないなら、この問題は成立しないんだ。つまり、この問題文は正しいということになってしまう」
「気のおける」の「気」とは「遠慮」や「気遣い」のこと。メンバー一人ひとりが、お互いの間に遠慮を置く、つまり遠慮し合わなければならない間柄なら、それは「気のおける」間柄ということになる。
「逆に、お互いに遠慮なしで付き合える間柄なら『気のおけない』間柄ということ。それが正解です」と、中原。「実はこれ、間違って使っている人が多いんです。2006年度の文化庁の『国語に関する世論調査』では、48・2%もの人が、『気がおけない』を『遠慮しなければならない』ことだと思っていたんだ」
◇
■メンバーのモヤモヤが晴れた
〈次の文章には、間違いがあります。誤りを指摘して、直しなさい〉
→「オリコンランキングを大きく落としてしまった。次の曲でこの汚名を挽回(ばんかい)するぞ」
問題を見て、斎藤ちはるは「挽回じゃなくて返上だよ、これ!」と、自信ありげに即答した。
「でも、オリコン落ちたくらいで汚名って、何かやだな」と中元日芽香。
「汚名」と「挽回」の組み合わせが変なのかな……? メンバーの多くは、直感的にそう気付いた。しかし、なぜおかしいのかが分からない。そもそも挽回って、どういう意味?
「『挽回』っていうのは、一度なくなっちゃったものを元の状態に回復する、つまり取り返すこと。『汚名』を取り返しちゃったら困るよね。だから、この場合は『名誉を挽回』または『汚名を返上』とするのが正解」
説明を聞いて、メンバーのモヤモヤが晴れた。
◇
■曲のさわりってそこだよね…?
〈次の言葉を使って、短文を作りなさい〉
→「新曲のさわり」
「さわり?」
問題を見て、一同は顔を見合わせた。
「曲の最初の部分のことよね?」と、川村真洋。永島は「新曲のさわりの部分を聞いてほしい、とか書けばいいんじゃない?」。
「新曲のさわりは、少しせつない、なんてどう?」と、齋藤飛鳥。
「みんな、文章を作ることはできたみたいだね。でも、本当に正しい意味で、この言葉を使えているかな?」。中原が、いたずらっぽく笑う。「『さわり』を、曲の最初の部分、イントロだと思った人は?」
ほとんどのメンバーが手を挙げた。まわりの反応を見ながら、おそるおそる。それを見て中原が、してやったりの表情で解説した。
「実は『さわり』というのは、元々は浄瑠璃の言葉。話の一番中心とか、最も興味をひく部分を指すんだ。つまり歌でいえば、聴かせどころの『サビ』の部分。最近は、サビと同じメロディーを頭に持ってくる曲もあるから、出だしが『さわり』になる曲もあるけれど、『最初の部分』を指す言葉じゃないんだ」
◇
授業を終えて、みんなは口をそろえて「難しかった!」。
何げなく使っている言葉だけど、その意味を深く考えて使っていなかったことを、思い知らされた。今回取り組んだのは、語彙・読解力検定では「辞書語彙」を問う問題に当たる。
「ちゃんと勉強しないと……」「ヤバイよ、ヤバイヤバイ」。口々に悔しさをにじませながら、教室を後にする乃木坂46の面々。
メンバーは、6月に行われる語彙・読解力検定で、3級に挑む予定だ。
「よのなか科」の授業を受けたり、意識して新聞を読んだりと、意欲的に「言葉の力」を磨いてきたメンバー。だが、その期間はまだ3カ月足らず。今回の受検は、11月にもある検定を見据えた、腕試しといった感じだ。
皆さんも6月、乃木坂46と一緒に「言葉の力」を試してみませんか?=敬称略(板垣薫、安達澄、写真は竹谷俊之)
◇
〈語彙・読解力検定〉 言葉を正確に理解し使う力や、読解力などをマークシート方式で測定。1級(新設)、準1級、2級、準2級、3級の五つのレベルがある。
個人受検は、6月16日に全国の53会場で実施予定。受検申し込みの締め切りは電話が5月12日、webが5月19日。詳細は、公式ホームページ(http://www.goi-dokkai.jp/)。
電話での問い合わせは、検定事務局(電話0120・110702)。受付時間は、月〜土曜(祝日除く)の午前9時〜午後6時。5月12日のみ日曜も受け付けます。
PR注目情報
11月17日(日)、全国の会場で実施。チャレンジ問題を掲載中!